myゲーム趣味レーター

ゲームデザイン、ゲーム制作、ゲーム史、古典蒐集、ゲーム研究、ゲーム開発者教育、積みゲー

デジゲー博2021 行ってきた

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初めてデジゲー博行ってきました

見たり遊んだりパンフだけもらったりした作品をメモっておく

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見たり遊んだりパンフだけもらったりした作品

  • レトロゲームエイリアンズ
  • オヤジリウム3
  • FAYE SLEEP WALKER
  • シューフォーズ
  • 雨にして人を外れ
  • 憑霊剣戟
  • 最果てのクオリア
  • デモリッションロボッツK.K.
  • Invercity
  • イノウノカルテ
  • 夢幻桜楼閣
  • ことだま日記
  • ノナプルナイン
  • Devil Scroll
  • Wanderdawn
  • FILMECHANISM
  • 南極計画
  • 宇宙彷徨記バッカニーア
  • メイドさんを右に
  • 雷神弓(ライジングアーチ)
  • モルモットホイーラン
  • RAT CAGE

特に気になった作品

レトロゲームエイリアンズ

gamesoldier.net

8bitPC風のADVゲーム。
めっちゃ気になっている

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雨にして人を外れ

www.freem.ne.jp

 

最果てのクオリア

store.steampowered.com

アートが『ファイアーエムブレム トラキア776』とか『ティアリングサーガ』の広田麻由美さんっぽくて好き。まさか本人ではないよね???

 

イノウノカルテ

unityroom.com

 

ノナプルナイン

game-creators.camp

これもめっちゃ気になってる。
超アニメが動く横スクADV。

PC-FXの『チームイノセント』みたいな雰囲気。

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FILMECHANISM

1人の画像のようです

store.steampowered.com

ステージのギミックの状態をメモリーしたり復元したりすることで仕掛けを解いていくアクションパズル

『Elechead』とか『Downwell』っぽいモダンなドット絵に弱い

 

南極計画

rexlabo.com

デジゲー博でも一際異彩を放っていた。
海外でもウケそうな美しいローポリ。

雷神弓(ライジングアーチ)

banraku-games.sakura.ne.jp

なんか気づけばビジュアルばっかり惹かれてる私だけど、この作品はメカニクスとアクションに惚れた!

タッチペン1つで爽快な「俺強ぇぇ」アクションを実現していて素晴らしい

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RAT CAGE

入口すぐにあって、これも異彩を放ってた

余談

今回購入したゲーム、どれも「conca」というサイトを使ってダウンロードコードを作成していた。覚えておこう。

conca.cc

 

2021/11/24追記

当日は別の階にも展示スペースがあることを知らず、スルーしてしまった

ここの記事にまとまってたので参考にしよう。わりと気になるのある

www.moguragames.com

*1:インディーゲームの雄『Among Us』のタスクが書かれているポスター

*2:なんか美少女の写真ばかり撮ってる気がする...

テスト:iTunesから好きなゲームミュージック埋め込みやってみた

音源の引用ってどうやるの?可能なの?

好きなゲーム音楽の紹介とかしたいけど、違法アップロード動画を埋め込むわけにもいかないし...

ということで行きついたのが、iTunesからの埋め込み
たぶんiTunesストアから買ったものなら、HTMLコピペすることで合法的に埋め込むことができるっぽい

テストの兼ねてお気に入りを紹介しよう
主に80年代~90年代のFM音源が好き

古代祐三

アクトレイザーで何かと話題の古代(こしろ)さん。
大好き。メタルなのかユーロビートなのかよくわからんけど、アガる

アクトレイザー

ミスティー・ブルー

ザ・スキーム

イース

TO MAKE THE END OF BATTLE

TO MAKE THE END OF BATTLE

  • provided courtesy of iTunes
RUINS OF MOONDORIA

RUINS OF MOONDORIA

  • provided courtesy of iTunes

PCエンジンイースの曲は作曲:古代祐三、編曲:米光亮

ZUNTATA

今も活動しているタイトーサウンドチーム
大好き。重低音でボディソニックだぜ!

ニンジャウォーリアーズ

ナイトストライカー

ガンフロンティア

コナミ矩形波倶楽部

コナミ独自のサウンドチップSCC音源(など)で紡ぎだされる
唯一無二の音色と独創的なメロディー!大好き。

本当は『グラディウス2』(※Ⅱじゃないよ)の『Don't Leave Me Alone』も入れたかったけど、ネット上に公式音源なしでした

悪魔城ドラキュラシリーズ三大名曲

血の涙

血の涙

  • provided courtesy of iTunes

↓おまけ

失われた彩画

失われた彩画

  • provided courtesy of iTunes

※PSの作品なのでPCM音源です

魍魎戦記MADARA

沙羅曼蛇

魂斗羅

迷路要塞1

迷路要塞1

  • provided courtesy of iTunes

月風魔伝

セガナムコFM音源もヤバいぞ

大好き。

ドラゴンスピリットナムコ

エリア6

エリア6

  • provided courtesy of iTunes

※作曲:細江慎治

アウトランセガ

MAGICAL SOUND SHOWER (Out Run)

MAGICAL SOUND SHOWER (Out Run)

  • provided courtesy of iTunes

※作曲:川口博

東方シリーズ

実は東方BGMを知ったのはここ数年のこと。
ニコ動とかでブームあったようですが、そちらは全く通ってません。
なので世の人気曲が何かとかは全然わからぬ。

とにかくFM音源のメロディアス楽曲の宝庫なので、大好き。

紅響曲 ~ Scarlet Phoneme

紅響曲 ~ Scarlet Phoneme

  • provided courtesy of iTunes
怪綺談 ~ Mystic Square

怪綺談 ~ Mystic Square

  • provided courtesy of iTunes
東方封魔録 ~ 浄土曼荼羅

東方封魔録 ~ 浄土曼荼羅

  • provided courtesy of iTunes

スクウェア

FM音源ではないですが、スクウェアサウンド陣も独創的かつアツくて最高
大好き。

ライブアライブ

MEGALOMANIA

MEGALOMANIA

  • provided courtesy of iTunes

↓おまけ

Guile's Theme

Guile's Theme

  • provided courtesy of iTunes

※原曲はカプコン在籍時代の下村陽子さん

Sa・Ga3 時空の覇者

異次元のテーマ

異次元のテーマ

  • provided courtesy of iTunes
The Flame and the Arrow (RIZA)

The Flame and the Arrow (RIZA)

  • provided courtesy of iTunes

笹井隆司さんは伝説的ジャパニーズプログレバンド「NOVELA」の元メンバー。
ゲーム音楽にはプログレ出身が多い。

一番好きなのは『XAK』の『炎の地、上空』。以下から視聴可能。

Xak X68000サウンドトラックス | プロジェクトEGG | EGG MUSIC

 

ゲームデザイナーズ大賞2021の大予想祭り

ゲームデザイナーズ大賞2022について

2022/09/30 追記

 

(39:40~)

ゲームデザイナーズ大賞2021の大予想祭り

盛大に外しました 2021/11/25 追記

持ってたのにな...完全に盲点だった...


(30:30~)

 

ゲームデザイナーズ大賞:

マリオカート ライブホームサーキット

マリオカート ライブ ホームサーキット マリオセット

二次選考ノミネート:

  • Ghost of Tsuhima
  • 天穂のサクナヒメ

【PS4】Ghost of Tsushima (ゴースト オブ ツシマ)天穂のサクナヒメ BEST PRICE -Switch

※本家の優秀賞と被ることなんてあるのかよ...

It takes twoは最終選考まで残っていた模様 2023/09/21 追記

=============

ゲームデザイナーズ大賞って何

画像集#002のサムネイル/「ゲームデザイナーズ大賞 2021」の審査員9名が決定。審査員長は桜井政博氏

東京ゲームショウ内で開催される「日本ゲーム大賞」の1部門。

人気や知名度や大衆性の影響を受けやすい「年間作品部門」とは異なり、
著名クリエイターが数名が審査員となって、「独創性」「斬新性」を基準に選考する賞。

カンヌ国際映画祭の「ある視点部門」みたいなノリで、ゲームデザインやナラティブが新しい、ちょっとメジャーシーンからは外れた作品が選ばれる傾向にある。

毎年何が選ばれるか楽しみだが、一部のファンの間ではTGS前になると(ごく少数の界隈で)予想レースが始まる(独自調査)

もし予想が的中すれば「ゲームの違いが判る男」みたいな感じがカッコイイ気がするので、今回こそはブチ当ててみようと思う

 

以下、年間作品部門|開催概要|日本ゲーム大賞から引用

審査方法

選考に際しては、「日本ゲーム大賞選考委員会」とは別にクリエイターによる審査会を設置。審査対象作品に対し、各審査員が持ち点10点によって作品を評価し、ポイントの集計結果によって受賞作品を選出。最終的に「日本ゲーム大賞選考委員会」での承認を得て、受賞作品を決定します。

選考基準

受賞作品の選出に際しては、以下1、2の選考基準に則り、具体的な審議・評価を行うものとします。

  1. 独創性: これまでの作品とは一線を画する新たなアイデアが盛り込まれていること。
  2. 斬新性: ユーザーへ新たな楽しみ方、遊び方を提示し、ゲームソフトの在り方を広げる作品であること。

上記1、2についての評価を統合し、今後の市場発展における一つの指標となる優れた作品、その可能性を持つ作品であることを選考の基準とします。

審査員も豪華

画像集#001のサムネイル/「ゲームデザイナーズ大賞 2021」の審査員9名が決定。審査員長は桜井政博氏

「ゲームデザイナーズ大賞 2021」の審査員9名が決定。審査員長は桜井政博氏

審査員長は毎年桜井さんです。

傾向分析

歴代受賞作(テキトー解説付き)

一応、たいていはプレイしたかな...

35:57~

https://awards.cesa.or.jp/release/pdf/20210921.pdf

2020年度 Baba Is You 

目的は「あなた」が「ゴール」するだけ
白いワンチャン「ババ」を動かして、パズルを解いて
「ルール」すら変えることで「ゴール」を目指せ
(文字だと伝わらない)

選ばれたとき、いやこれ2019年度だろ!
と思ったけど、コンシューマ版の発売が2020年度だったようで

2020年度ノミネート作品

40:50~

この年だけ、惜しくも大賞逃したものの選考に残ったノミネート作品3つが公開された。

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  • 十三機兵防衛圏
  • グノーシア
  • Outer Wilds

あとヨコオタロウ氏は『Sayonara Wild Hearts』も推薦していたとのこと

2019年度 ASTRO BOT 

VR専用ソフト。
VRゴーグルから覗き込み、ちっちゃなロボットと一緒に困難をのりこえる
VRプラットフォームアクションの決定版

第一回の『HEAVY RAIN』以来の非インディー作品であり、歴代唯一の国産ゲーム

2018年度 Gorogoa

芸術的絵画が描かれえた不思議な絵本パズルを解きながら
様々な世界に迷い込んでいく

2017年度 INSIDE 

2Dスクロールアクションでこんなにドキドキできるとは!
自分は誰なのか、自分はどこへ向かうのか

2016年度 Life Is Strange

こんな学園生活もうコリゴリ!
時間を巻き戻る能力で新たな物語を切り開け!

2015年度 Ingress

位置情報ゲーム
2陣営に分かれ、世界中の人々と陣取り合戦!

2014年度 ブラザーズ 2人の息子の物語 

2本のスティックで兄弟を同時に操作し、不思議な旅に出かけよう

2013年度 The Unfinished Swan

真っ白で何も見えない世界に、黒ペンキを撒きまくって己が道を示せ!

2012年度 風ノ旅ビト

言葉のない世界で、見ず知らずの別プレイヤー(旅人)と出会う。
名前は知らずとも、心は通じ合える。そんな不思議な旅路。

2011年度 ヒラメキパズル マックスウェルの不思議なノート

コトバにしたことがなんでも実体化しちゃう!
いろいろ作ってパズルを解こう!

2010年度 HEAVY RAIN -心の軋むとき- 

たった1人の息子が誘拐された...
犯人の要求に従い、究極の選択を迫られる主人公...

最初で最後のAAAタイトルの受賞作

2010年度 イシイジロウ氏推薦作品 ラブプラス

審査員個人の推薦作品なので何を選ぼうが自由であるべきで、私なんかにとやかく言われる筋合いは全くないと思うが、これ以降の選考作品の傾向からは少し違うのが面白い。模索の時代だったのかもしれない。

選考の傾向は?

選定基準は上記の通りだが、傾向としては

  • 他では見たことない発想のメカニクスでありながら、しっかり面白いゲームデザイン →結果としてパズルゲーム多め
  • ビデオゲームならではの特性を生かしたナラティブ体験ができる →結果としてADVゲーム多め
  • 独創性を重視した結果として、大作よりもインディー作品が多め
  • 決してメジャーではないが、熱心なゲームファンならその名を知っているであろう

大予想

とりあえずノミネートされてそうな作品の予想

恥ずかしながらプレイしてないものもありますが
対象となる「2020年4月1日から2021年3月31日の間に日本国内で発売された家庭用ゲームソフト」の中から、上記傾向に当てはまりそうなものをピックアップしてみた

(ミスあるかも)

It Takes Two
・ジャックジャンヌ
・ALTDEUS: Beyond Chronos
・The Pedestrian
・The Medium
・バディミッション BOND
・Maneater
・Dicey Dungeons
・Among Us
・Last Labyrinth
・アンリアルライフ
・天穂のサクナヒメ
・デスカムトゥルー
常世ノ塔
・MAD RAT DEAD
・Carto
・Stories Untold
・Disc Room
・Supraland
・A Short Hike
・Unrailed!
・Into The Breach(Switch版)
・Hades(英語版)
・Craftopia
・No Straight Roads
・Tell Me Why
カニノケンカ
・梅雨の日
・Fall Guys
・Root Film
・CARRION
・Superliminal
・デスマッチラブコメ!(PS4リメイク)
・Helltaker
・A Dark Room(Switchリメイク)
・Enter The Gungeon(Switch版)
・Celeste(CS版)
・MY FRIEND PEDRO
・NUTS

ズバリ、ゲームデザイナーズ大賞はコレだ(10択)

あくまで良そうなので、プレイしてないゲームもあります。
すみません。本当にすみません。

アモングアスやフォールガイズ、サクナヒメはメジャーになりすぎたので、予想からは外してみた。

It Takes Two

クリア済。ミニゲーム満載の豪華な2人Co-op専用ゲーム。
ディレクターのジョセフ・ファレスは『ブラザーズ 2人の息子の物語』で受賞経験あり

いろんなゲームのオマージュがあったりしてゲームマニア的には面白かったが、斬新というよりは大ボリュームで全部入り作品って感じだから、どうだろ

独創性でいえば、前作『A way out』の方が画面分割を活かしててすごかったな

ALTDEUS: Beyond Chronos

未プレイ。
大ボリュームなメカものVRドラマADV。

ストーリーテリングがとにかくすごいらしい
次Oculusのクーポンもらえたら買っちゃお

The Medium

未プレイですが、画面分割&「ふたつの世界に同時に存在する、ひとり主人公」というコンセプトのADVで、いかにもゲームデザイナーズ大賞っぽい。

ただ、ヘビーレイン以来AAA級の作品は選ばれてないので、どうだろ

The Pedestrian

プレイ済、未クリア。
道路標識のピクトさんが主人公の美しいアクションパズル

なんかシナリオ的にすげえ展開とかあればゲームデザイナーズ大賞っぽいけど、最後までプレイできてないでござる。

Dicey Dungeons

プレイ済、未クリア。
『Slay the  Spire』系ローグライクだが、こちらはデッキ構築ではなくサイコロのワーカープレイスメントみたいな感じ。

作者は『スーパーヘキサゴン』『VVVVVV』のテリー・カバナー。
この人が開発したチップチューン作曲ソフト『BoscaCeoil』も楽しいぞ。

超面白いんだけど、正直なところ過去の傾向としては違う気がする。
純粋なゲームメカニクスの独創性はあるので、もしこれが選ばれたら大きな変化だ


Disc Room

プレイ済、未クリア。
一見、ノコギリだらけの虐殺部屋から生き残る弾幕系避けゲーかと思いきや、複雑な条件を達成することでダンジョンを進むパズルっぽいアドベンチャーだったりする。

最後までプレイできていないので詳しくは知らないのだが、けっこうナラティブもすごいらしい。ゲームデザイナーズ大賞が好きそう。

Into The Breach(Switch版)

未プレイ。インディーゲームの中では超有名作品。
FTL』を作ったSubset Gamesの作品。

有名作品のコンシューマ版という知識だけで予想に入れてしまったが、実際おもしろそう
いつかやるぞー

ストラテジーゲームの受賞はまだないので、そういう意味でも期待!

No Straight Roads

未プレイ。
ロックの世界の住人となってEDM帝国を倒すっていうヤバいゲーム。

リズムアクションバトルが楽しそう。

Superliminal

プレイ済、未クリア。
錯視を利用して道を切り開いていく一人称ADV。

どことなく『Portal』に雰囲気が似ている。
私これ何故か積んでるな。やらないと

A Dark Room(Switchリメイク)

原作である『暗い部屋』クリア済。
ほぼテキストのみで、生きるために素材を回収しながら村を発展させていく。

個人的にとても好きな作品で、意外なナラティブもある。
ただ、リメイク作品が受賞するかは謎。コンシューマ版としては初リリースだから対象だとは思うけどなあ

 

以上。
みんなの予想もぜひ聞かせてください!

積みゲー消化メモ

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所有ゲームは約1700本で、うちプレイ済が500本くらい
消化率は30%弱といったところ

ゲーム所有リスト.xlsx
大公開!まだまだ作成途中!

自分でもよくわからなくなってきているので、備忘録的にメモする
基本的には新作→古典→新作...というサイクル

 

現在プレイ中

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次にプレイする候補

 

積みゲーベンチ入り

 

参考

遊びたいと心では思っているゲームのリスト

想定プレイ時間より残余寿命の方が短いです

PERACON2021 審査メモ

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去年ペラコン殿堂入りしたご縁で、今年は審査員をやらせていただきました。
お誘いいただいた宮下先生や三上先生には感謝申し上げます。

終結果はこちら
PERACON2021 結果ページ

参戦された皆さん、本当にお疲れ様でした。
上位入賞された人は本当にすごいことだし、自信もっていいと思います。
また、順位はどうあれ参戦したこと自体に大きな意味がありますよ!
振るわなかった人もメゲずに来年リベンジ!!!(私は7年かけて殿堂入りしました)

 

...で、私がどんな基準で審査したかを超簡単にメモを残しておきます。

(私の)審査基準

審査員によって審査の観点や基準は異なると思いますが、私は以下の観点で審査してみました。

◆以下の基準で審査し、まず自分の中でランキングを付けた

  • 具体的な攻略の方法が明確で、やり甲斐がありそう
  • 目標達成によって快感やカタルシス他にはない魅力的な価値を得られそう
  • お題の使い方がうまく、「キュン」の必然性がある
  • 1つのコアメカニクスを紙面上で説明しきれている
  • 「キュンとする」「恋に落ちる」というテーマの取り方の場合は、そういう曖昧な感情を定量的に解釈してゲームに落とし込むことができていたら、嬉しくて高評価しちゃうかも

◆ランキング順で以下の評価を付けた

  • 「推し」(10点)ベスト10位
  • 「いいね」(3点)10位以下の良作
  • 「惜しい」(1点)メカニクス
    テーマ紐付けやメカニクスの詰めがあと少しだが、いいゲームになりそうな原石
  • 「惜しい」(1点)発想賞
    テーマ紐付けやメカニクスの詰めがイマイチだけど発想の奇抜さを讃えたい!と思うもの

メカニクス賞」と「発想賞」について

「推し」「いいね」「惜しい」の段階や点数はどの審査員も共通ですが、個人的に勝手に「惜しい」の中で「メカニクス」と「発想賞」を設けました。

メカニクス賞」については、最近ペラコン運営が”人材育成”を目的として明確に掲げたことに乗っかり、ゲーム企画として成立させようと苦闘した痕跡や残滓が感じられるものについては、今後の期待も込めて甘めに点数やコメント付けたいと思ったため、勝手に設立しました。

また「発想賞」については、古き良き昔のペラコンのノリ(商品では出せなさそうなブっとんだ企画でワイワイやるお祭り)の遺志を受け継ぎ、これ発想一本勝負だろおい!というのにも何らかの評価を与えたくて設立しました。
近年のペラコンは綺麗でまとまった企画が評価される傾向にあったため、そういう頭おかしい系の企画は評価されづらい状態だったのです。

私の中でのランキング

1.キュンに着替えて(最終結果14位)
2.キュンする ときめき通学路(最終結果27位)
3.キュン死'n将棋(最終結果17位)
4.キューピット事務所(最終結果44位。結果的にこれが私の審査員特別賞!
5.キュンキュン! ラバーシューター!(最終結果26位)
6.イケボ選手権(最終結果6位。的中!
7.きゅんスタ!(最終結果41位)
8.キュンをつくろう! ときめきひとコマ(最終結果9位)
9.きゅんNumber!(最終結果23位)
10.キュンベーダー(最終結果12位)
====↑推し↑====
11.ユメニミルキミ(最終結果120位)
12.キュン殺!ドキドキパワーバトルVR(最終結果89位)
13.バキュン!うつしてハート(最終結果3位)
14.トキをメクれ!(最終結果52位)
15.のらねこ日和(最終結果22位)
16.ドキキュンおばけ屋敷メーカー(最終結果4位)
17.ラブ・バインド(最終結果35位)
18.イッキュンサン(最終結果24位)
19.反転パンダ君!(最終結果36位)
20.ハートレスティアーズ(最終結果50位)

点数を付けたリストと審査メモ

細かいことはいずれ公式から発表されるかと思いますので、
手元の雑メモをそのまま公開

推し

  • キュンに着替えて(Super Animal Royale)
  • キューピット事務所(Papers,Please)
  • キュン死'n将棋(ガイスターで強さは個人基準)
  • イケボ選手権
  • きゅんスタ!(キュンの意味が広いなら、いろんなシチュエーションが楽しめそう)
  • キュンキュン! ラバーシューター!(『エンジェル・エンカウンター』と比較し、目標が明確で拡張性がある)
  • キュンする ときめき通学路
  • キュンをつくろう! ときめきひとコマ(FRAMED)
  • キュンベーダー(たぶんインベーダーというよりパズルボブルとかマネーアイドルエクスチェンジャー、クォースみたいな感覚か。リスクリターンや解放が気持ちよさそう。プレイしてみたい)
  • きゅんNumber!(数字ではなく、好きな人のタイプや特徴や趣味...みたいな恋愛テーマと紐づけられたら。恋の定量化では1位)

いいね

  • ユメニミルキミ
  • エンジェル・エンカウンター(狙うゲームなのか考えるゲームなのか。投稿早かったですが『キュンキュン! ラバーシューター!』と比較しました)
  • キュン殺!ドキドキパワーバトルVR!(結局はパワー値で評価するのが残念)
  • トキをメクれ!
  • 反転パンダ君!(動物愛でる系3位)
  • のらねこ日和(動物愛でる系2位)
  • イッキュンサン(恋の定量化では2位)
  • ラブ・メイカー(通学路系の中では2位!)
  • ハートレスティアーズ(オノマトペ系1位)
  • ドキキュンおばけ屋敷メーカー(幅がありそうだが、ドキドキゲージという1軸評価の駆け引きしか発生しなさそうなのが気になる。タワーディフェンス的な発想で、様々な好みを持った客が来店して満足させるとかの広がりが考えられる)
  • ラヴ・オン(Noel系では一番!)
  • 株式会社キューピッド(『キューピット事務所』と迷いましたが、シートのデザイン性で判断しました。)
  • ラブ・バインド(リブルラブル、Biped)
  • バキュン!うつしてハート
  • Q'n(キューン) ―The Queen of spherical vehicle―
  • せーので!キュンジャンプ!!
  • キュンDEATH

惜しい:メカニクス

  • きゅんバス
  • Shake!Shake!Shake!
  • ドリキュン
  • トキメキロボット
  • あいのししゃ2021
  • 手つなぎラッコ
  • ぞうきんがけスクランブル!
  • みちびけ!忠犬ポチ公!
  • マインドスナイパー(20の質問系。ポイントって?外したらどうなる?)
  • ラブリーボール(敵に接近する必要があるジレンマをもっと生かしたい)
  • 思い出探偵とハートのスナイパー(ADV+STGになりそう。パートの繋がりをきれいにできれば。あとキュンでなくてもできそう)
  • キュンキュン QUIZ
  • 押しずっキュン
  • クラッチ de キュン
  • 撃ち抜け!ズキュンピット(Noel系)
  • 萌え燃えキュン(スペースチャンネル5パタポン
  • シノビスラッシュ(ルールやテクニック、コンセプトを説明しきれていない)
  • キュン チェッカー
  • 胸キュンからの大脱走

惜しい:発想賞

  • アイドル ズキュン
  • 待ち合わせまで残り…キュン秒!
  • 鴨川キューン
  • キュンキュン♡電車
  • 新世紀DQN
  • GentleMen
  • 壁ドン王者決定戦
  • 口から心臓(ハート)出るほどキミが好き!
  • Cocytus ~ 狗、キュンとす。 ~
  • 鳴かぬなら 鳴かせてみせよう あかぎつね
  • ワン殺犬 キュン
  • 寸止め牧師
  • おへやでドッグラン AR

雑多に感想

  • 曖昧な感情を定量的に解釈してゲームに落とし込む...のが難しかったですね。真正面に挑戦してたのは『きゅんNumber!』や『イッキュンサン』
  • 終結果の上位層、全然ノーマークだった作品が多かった。審査の多様性があって実にいいじゃないか。
  • 「推し」が順位に与える影響がとても強くなったので、例年の雰囲気とは異なる上位層に。審査員の誰か1人でもいいから「刺さる」ことが大事になった。
  • 作る方は大変だったけど、これ審査する方もマジで大変だわ。。。

CEDEC2021 3日目 メモ

CEDEC2021 3日目 メモ ※記載中

CEDEC

メモ+感想だよ
間違いがあったら教えてください

CEDEC2021 1日目 メモ - myゲーム趣味レーター

CEDEC2021 2日目 メモ - myゲーム趣味レーター

PERACON2021 審査メモ - myゲーム趣味レーター

「TAが欲しい!」じゃ伝わらない ~現在のゲーム業界におけるTA再定義、再認識~

cedec.cesa.or.jp

↑ツイートのツリーで実況を確認できます

 ゲームを作り始める前の「マーケティング」 ~開発者が知っておきたい12の知見

cedec.cesa.or.jp

↑ツイートのツリーで実況を確認できます

『Ghost of Tsushima』のローカライズができるまで

cedec.cesa.or.jp

基本的な内容はCEDiL資料でわかるので、発言でしかわからない内容だけまとめる

未知のゲームのローカライズをするためのノウハウ

教訓その壱「開発側と共通のゴールを持つ」

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  • 開発側とローカライズ共通のゴールを持つことで、それぞれが独立して作業を進めることができる
  • 「トンデモジャパンにしない」というのは海外スタジオとしてはかなり強い覚悟。なので開発会社からは早くから日本のチームに相談があった
教訓その弐「ユーザーに理解してもらわないと、本当らしさをわかってもらうこともかなわない」
  • アイテムの文章の翻訳の確認や、ミッション開始時のスタンプの翻訳が早めにおこなった(時代考証だけではなく、現代のプレイヤーが理解できるかも大事)

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「感情ファースト(エモさ)」「感性と分析の両立」
  • ローカライズチームは、そもそも時代劇に詳しくなかった。まずは『子連れ狼』の小池一夫ワークショップへの参加して知った言葉「昔のことなんて誰も知らないから、面白くすればいい。ただ統一性は必要」
  • 武士と庶民を同じキャラ付けをするべきでないという分析を得た。ただしあくまで感性ファースト
  • 時代劇を知らない人にも訴えかけるためのローカライズ方針は...

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教訓その三「サッカーパンチの目標を達成することをファーストにすることで統一感を」

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  • Jin's journy → 仁之道(旅だとわかりづらい)
  • tales of tsushima → 浮世草(時代劇っぽいし意味がわかる)
  • act of one → 離之段(守破離から取った。本当は守破離という言葉が生まれたのは鎌倉時代以降)

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日本人が違和感を感じることは開発会社の承認を得て修正している

  • 一介の乳母に「子」がつくのはおかしいので、日本版ではYURI
教訓その四「ユーザーの共感を重視してルール付け」

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  • 鎌倉っぽいけど現代人がプレイしながら聞ける言語
    →参考:小学館日本国語大辞典」(その言葉が初めて使われるようになった時代が書かれている)、三省堂「現代語古語類語辞典」(現代語で引くと古語の類語が書かれている)
  • 時代劇っぽさがあり、文脈と絵があれば理解できるものは、あえて古くて通じづらい言葉も使った
  • シネマシーンのセリフは七五調を意識している。日本語に馴染む
教訓その五「目標達成のために大胆なプラン変更も」

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  • 役者の選定基準→泥臭さ
  • 洋ゲーの日本語版ではなく、「日本オリジナル版」をつくるという意識
  • 役者のイメージするキャラクターと齟齬が出ないように、音響監督や役者とイメージを共有
  • 日本語版の政子のテーマは「怒り」。英語版より1.5倍の怒り。ときには汚い言葉も
教訓その六「神は細部に宿る」

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ゲームプランナー教育に関するメモ

ゲームプランナー教育に関するメモ

随時更新していきます

ゲーム クリエイター教育に関する資料

ゲーム会社やIT企業での研修事例

私の考える「ゲームプランナー新人研修」について

研修で得るべきスキル

  • 基礎知識
    • ゲームのしくみ(構成要素・基本の設計原理・遊戯論)
    • ゲームデザインメカニクス
    • 体験設計・UI/UX設計(レベルデザイン・ナラティブ・UI・認知心理学
    • コンセプト設計
    • 運営・プロモーション・マーケティング・消費行動
    • 基礎工学(ハードウェア・ネットワーク・描画)
    • 映像・アート
    • 開発体制・プロジェクトマネジメント
    • 産業構造・業界構造・エポックメイキングな作品知識・歴史
    • ゲームプランニング業務
  • 技能
    • 「考える」
      • 何らかの問題を解決する発想力・提案力(精度・スピード・量)
      • 論理的な根拠から判断する意思決定力(精度・スピード)
      • ゲームデザインを分析・発想・設計する能力(精度・スピード・量・独創性)
    • 「書く」
      • 資料作成能力(正確性・スピード)
      • 構成力・まとめ力
      • 企画書・仕様書の実践的能力
    • 「伝える」
      • プレゼンテーション(わかりやすさ・説得力)
      • コミュニケーション能力(正確な意思伝達)
    • その他、実務に近い専門技能の基礎
  • 意識・習慣
    • 積極性・フットワーク
    • 論理的思考・論理的説明
    • 勉強を継続する向上心
    • 幅広いエンターテイメントに触れ、分析し、実践する

記憶に残る研修:楽しんで覚えて身につける

カリキュラムの先行例

IGDA開発者教育フレームワーク

IGDA開発者教育カリキュラムフレームワーク(2008)

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東京工科大学安原広和先生の「ゲームデザイン論」

シラバス参照 (teu.ac.jp)

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東京国際工科専門職大学デジタルエンタテインメント学科 

ゲームクリエイター大学│ゲーム開発・プログラミングの習得│東京国際工科専門職大学 (iput.ac.jp)

以下、シラバス検索より抜粋

 ゲーム構成論Ⅰ

テキスト: 『ゲームデザインバイブル 第2版』 

授業の到達目標及びテーマ  
ビデオゲームをはじめとしてボードゲームからVRゲームに共通するゲームデザインの基本原理や要素について説明できる。
ゲームデザインの目的であるユーザエスペリエンスについて説明できる。
・ゲーム開発者の職種を越えてゲームデザインについて相談できる。
・チームでのゲーム開発に参加するための準備ができる。 
 
授業の概要  
本科目では、ボードゲームからVRゲームまで様々なゲームに共通するゲームデザインの基本原理について学ぶ。過去のゲーム論を参照すると同時に、ゲーマーの心理についても理解する。様々なジャンルのゲームタイトルを説明できるようになるため、ストーリー・アートワーク・テクノロジー・ゲームメカニクスといったゲームの各要素についても説明できるようになる。本科目ではゲームデザインを通じて、情報科学、心理学、ユーザ分析などいろいろな分野の知見を学ぶ総合的なアプローチをとる。また、社会の中でのゲームデザイナの仕事を考えるために、社会への影響や社会的責任についても理解を深める。 
 
授業計画  
第1回 ゲームデザインとゲームデザイナ
ゲーム開発者の職種と、どの職種でもゲームデザインに関与することを学ぶ。ゲームデザインによってつくられるユーザ体験(ユーザエクスペリエンス)を説明できるようになる。

第2回 ゲームの要素
ゲームをプレイしながら分析することの難しさを理解し、どうすれば遊びを分析できるかを説明できる。ゲームを要素に分解して説明することができる。

第3回 ゲームのテーマ
ゲームの各要素を使って、ゲームのテーマをどうやって補強するのかを理解し、過去の名作を各要素とテーマから説明できる。

第4回 ゲームとプレイ、プレイヤー、プレイヤー心理
ゲームの定義の難しさとゲームプレイについて理解する。幅広いプレイヤーを分類するための手法として、消費者区分(マーケットセグメンツ)や快楽の分類、プレイヤー分類、ローカライズとカルチャライズについて理解する。プレイヤーのメンタルモデルとして、チクセントミハイのフロー理論、マズローの人間の欲求の5段階説、デシとライアンの自己決定理論、内発的動機付け、リーヴの自律的自己調整、コーンの報酬主義批判について学ぶ。

第5回 ゲームメカニクス
ゲーム独自の要素であるゲームメカニクスについて、大まかな分類を学び、特にブレイクスルーを起こしたゲームメカニクスとして、ゲームの仕組みを連続空間でも離散空間でも説明できること、オブジェクトの状態遷移で説明できることについてゲームの古典を使いながら学ぶ。

第6回 ゲームメカニクス(続)
近年のゲームメカニクスの傾向として、ユーザがルールを作ること、確率と期待値について学ぶ。

第7回 ゲームバランス
ゲームメカニクスを知っているだけではゲームデザインはできない。バランス調整が必要だが、ゲームバランスはいろいろな意味で使われてきた。そこでゲームバランスの類型と、代表的なゲームバランシングの方法論について学ぶ。

第8回 ストーリーとナラティブ、ゲーム世界
ゲームにおけるストーリーの作り方について学ぶ。また、ゲーム世界が他のメディアとつながることをトランスメディア理論を使って学ぶ。

第9回 ゲームキャラクターとゲーム空間
ゲーム世界をデザインするために、ゲームキャラクターをデザインする方法と、ゲーム空間をデザインする方法について学ぶ。多様なキャラクターをつくる方法、ゲーム空間を構造化する方法について学び、ゲーム空間の魅力を損ねる要素を取り除く方法についても学ぶ。

第10回 美学・アートワーク
強力なゲームの世界には「雰囲気」がある。それはビジュアル・サウンド・楽曲・ゲームメカニクスがすべて機能してつくりだされる。それを作り出し開発チームで共有するために必要なプロトタイピングについて学ぶ。また、アートとテクノロジーのバランスにおいて重要なテクニカルアーティストの役割について学ぶ。

第11回 コミュニティ・チーム開発・ドキュメンテーション
ゲーマーが自分以外のプレイヤーと関わるコミュニティデザインを学ぶ。チーム開発で起こる問題とゲームデザインが果たす役割について述べる。ゲーム開発におけるドキュメンテーションの重要性について理解する。

第12回 プレイテスト
デバッグとプレイテストの違いについて説明できる。

第13回 テクノロジー、収益モデル
なぜゲームデザインにテクノロジーを学ぶ必要があるのかを理解し、これまでゲーム産業に起こったハイプサイクル、イノベーションのジレンマについて説明できる。収益のために重要なビジネスモデルについて理解する。

第14回 クライアントへのプレゼン
これからつくるゲームをクライアントに説明するにはクライアント分析が必要である。また、資金調達(ファンディング)に成功したプレゼンテーション事例について学ぶ。

第15回 社会の中のゲームデザイン
ゲームはプレイヤーに影響を与え、社会を変える力がある。社会を変えるゲームの力や、ゲームデザインの社会的責任、CEROに代表されるゲーム産業の自主規制について理解する。 
 ゲーム構成論Ⅱ

テキスト: 『ゲームデザインバイブル 第2版』 

授業の到達目標及びテーマ  
・ゲーム開発プロジェクトに参加するための基礎知識を身につける。
・自分が遊んだことがあるゲームに対して要素分析を実施できる。
・他の人のゲーム分析を批判的に理解できる。
・国際的なチーム開発に参加するためのゲームデザイン用語を理解できる。
・チーム開発のプロセスを説明できる。 
 
授業の概要  
ゲーム構成論Ⅰの内容を踏まえて、ゲームデザインの個別テーマを講義に演習を交えながら深めていく。まず分析手法について学び、実際に過去のゲームを選んでプレイ分析や要素分析を行う。またゲームのナラティブ分析について学び、発売されたゲームに関する学生のナラティブ分析を批評する。分析手法の次はよいゲームデザインについて講義と演習を行う。まずデジタルゲーム以前から存在する基本的なゲームのデザインについて、パズルゲームを代表例として演習を行う。次にゲーム開発はなぜ難しいのかを学修し、開発中もユーザエクスペリエンスにフォーカスするために代表的なデザインのフレームワークを学ぶ。後半はそれまでの学修内容に基づき、デザインのフレームワークを用いたミニゲーム開発の演習中心の授業を行う。 
 
授業計画  
第1回 ユーザエクスペリエンス
ゲームをプレイしながら分析することは難しい。その方法について学ぶ。

第2回 ゲームの要素分析演習
「ゲームの要素」にもとづいてゲームを分析する。

第3回 ナラティブ分析
ゲームの面白さを伝える方法として、ナラティブ分析について学ぶ。

第4回 ナラティブ分析レビュー
他の人が書いたナラティブ分析を批判的に紹介する。

第5回 ゲーム開発手法
なぜゲーム開発はシステム開発の中でも特に難しいのかをユーザエクスペリエンスの観点から学ぶ。

第6回 ユーザの間接的コントロール
ユーザを導く方法について学ぶ。

第7回 パズルデザイン
ゲームの古典的なジャンルであるパズルゲームについて学び、よいパズルをつくるパズルデザインについて理解する。

第8回 パズルデザイン演習
パズルゲームを用いたゲームデザイン演習を行う。

第9回 MDAフレームワーク
ユーザエクスペリエンスにフォーカスする手法の一つとして、MDAフレームワークについて学ぶ。

第10回 MDAフレームワーク演習
MDAフレームワークを使ったゲームデザイン演習を行う。

第11回 チーム開発とドキュメンテーション
チーム開発の上で重要なコミュニケーション支援ツールについて講義と演習を行う。
ゲームデザインドキュメントの目的について講義する。

第12回 ゲームデザイン演習・ドキュメンテーション
ドキュメンテーションを用いたチームでのゲームデザイン演習を行う。

第13回 ゲームデザイン演習・タスク管理
MDAフレームワークを実際のタスクに分解するゲームデザイン演習を行う。

第14回 ゲームデザイン演習・テストプレイ
テストプレイを用いたゲームデザイン演習を行う。

第15回 ゲームデザイン演習・まとめ 
エンタテインメント設計
授業の到達目標及びテーマ  
・エンタテインメントコンテンツにおける「面白い」と感じるために構成されているものを知る。
・エンタテインメントコンテンツにおけるプレイヤー感情をコントロールする必要性を学ぶ。
・エンタテインメントコンテンツにおけるプレイヤー感情をコントロールするための具体的な手法を学ぶ。
・多くのユーザーが「面白い」と感じるものを「感覚的」ではなく「具体的」に生み出し、言葉や、図にして他者に伝えられる。
・言葉にした「面白い」と感じるものを現実的な手段で実現する手法を提示できる。
・「面白さ」の改善方法や効率化を考えることができる。 
 
授業の概要  
本授業では、個々のコンテンツから発せられる刺激が視覚、聴覚、触覚、体感などの感覚受容器で受容され、大脳に送られて、知覚・意味形成に至るまでのメカニズムについて学ぶ。続いてコンテンツが内包する知覚心理学的要素と、そこから生じる意味的要素などについて、広範なコンテンツの実例をふまえて考察する。その後、人間の情動を効果的に誘導するための具体的な設計方法論について、制作演習を通して実践的な理解を深める。また、コンテンツによって表現される仮想世界と現実世界の関係性や、表現されたコンテンツが現実世界に与える影響、コンテンツが内包する作家性、現実世界に対する批評性についても学ぶ。 
 
授業計画  
第1回 オリエンテーション
全15回の授業概要について学ぶ。


第2回 エンタテイメントと人間の感性
人間がエンタテインメントを受容する際、個々のコンテンツから発せられる刺激が視覚、聴覚、触覚、体感などの感覚受容器でどのように受容され、脳に集約された後に、知覚・意味形成までに至るのか、そのメカニズムについて理解する。


第3回 エンタテインメントの領域と関連する感覚・知覚要素
エンタテインメントが扱う領域はアートから小説・音楽・映像・ゲームと広範囲にわたり、ジャンルごとに多様な特性を持つ。各々の特性と、コンテンツが発する刺激がどのように認識され、体験に昇華するかについて理解する。


第4回 視覚とエンタテインメント
エンタテインメントの主要構成要素である視覚情報について、人間がどのように情報を認識し、理解するのか、主に色彩感覚・形態要素・色彩の現象性・共感覚・意味論といった分野から考察する。


第5回 聴覚とエンタテインメント
エンタテインメントの主要構成要素である聴覚情報について、人間がどのように情報を認識し、理解するのか、主にサウンドイメージ・音楽におけるエンタテインメント・共感といった分野から考察する。


第6回 現実世界と仮想世界の接続
エンタテインメントコンテンツが世界をどのように記号化・抽象化して表現するのか、主にノンインタラクティブコンテンツである映像と、インタラクティブコンテンツであるゲームの違いを通して理解する。


第7回 仮想世界の理解
エンタテインメントコンテンツが描く仮想世界を、人間がどのように理解するのかについて、主に映像とゲームの違いを通して理解する。また仮想世界と現実世界との関係性や、コンテンツが有する作家性・批評性などについて理解する。


第8回 エンタテインメントの心理評価
エンタテインメントを評価する上で基盤となる知見について、フロー理論、三項強化随伴性(先行刺激・行動・航続刺激)、心理的測定法、SD法など、心理学や行動分析学の知見から理解する。


第9回 エンタテインメントの構造評価
エンタテインメントを評価する方法論について、三幕理論、MDAフレームワーク生態学的情報収集に基づくコンテンツへのリアルタイムフィードバックなど、クリエイター側の知見から理解する。


第10回 ゲームとコンテンツデザイン演出(1)
コンテンツデザインに伴うエンタテインメント性の変化について、ゲーム開発エンジンによる制作演習を通して、実践的な理解を深める。


第11回 ゲームとコンテンツデザイン演習(2)
コンテンツデザインに伴うエンタテインメント性の変化について、ゲーム開発エンジンによる制作演習を通して、実践的な理解を深める。


第12回 映像とコンテンツデザイン演習(1)
コンテンツデザインに伴うエンタテインメント性の変化について、映像編集ツールによる編集演習を通して、実践的な理解を深める。なお、その際の映像素材としては、第10回~第12回の制作物を使用する。


第13回 映像とコンテンツデザイン演習(2)
コンテンツデザインに伴うエンタテインメント性の変化について、映像編集ツールによる編集演習を通して、実践的な理解を深める。なお、その際の映像素材としては、第10回~第12回の制作物を使用する。


第14回 コンテンツ制作とフィードバック
第10回から第13回で制作した映像作品を題材に、学生間で評価を行い、改善する方法について学ぶ。


第15回 まとめ
第9回から第14回にかけて制作した制作物を発表し、相互にレビューを行う。その後、授業の全体的なふり返りを行う。 
企画・発想法(E)
授業の到達目標及びテーマ  
・発想を広げ企画にまとめるまでの一連のプロセスを説明できる。
・代表的な発想法のフレームワークを活用し、自らの発想を膨らませることができる。
ブレインストーミングの原則や進め方、発想を広げる様々な手法(フレームワーク)を説明できる。
ブレインストーミングの原則に則り、メンバとして発想を広げることができる。
ブレインストーミングにおけるファシリテータの役割ができる。 
 
授業の概要  
新規性のある発想、独創的な提案を発信できる人材が求められる。企画力、発想力はあらゆる場面で必要とされる。効果的な手法を学び、繰り返し実践することでこれらを身につける。 アイデアの抽出では、KJ、オズボーンのチェックリスト、ブレインストーミング、ブレインライティング、エクスカーションなどの発想法を学ぶ。演習ではアイデア創出を支援するツールを利用してテーマ課題に取り組む。企画力は企画書の作成演習を通して身につける。コンセプト・メイキング方法、市場調査・分析方法を学び、提案を1シート企画書にまとめる。企画書の作成ではインパクトのある作り方、構成、訴求ポイントのアピールの仕方を学ぶ。 
 
授業計画  
第1回 オリエンテーション
科目方針、年間スケジュールについて説明する。アイデアを出し、企画にまとめるまでの一連のプロセスに関する概略、独創的なアイデアを生み出すための様々な発想法(道具)があること、発想法(道具)の具体的な手法や期待される効果を説明し、科目の必要性を理解させる。

第2回 様々な発想法の分類と概要
イデア・企画、発想法とは何か、アイデアを企画にまとめるまでの一連の流れ、発想法には、その分類によって、自由発想/強制発想/類比発想、一人でできる発想法/複数人で実施する発想法など、様々なフレームワークがあることを解説する。

第3回 発想を広げる、発想法演習(1)
一人で実施する発想法に関して、代表的な手法(マンダラート等)を解説する。具体的なテーマを設定し、一人でできる簡単な発想法を用いた演習を行い、具体的な方法や効果について理解を深める。

第4回 発想を広げる、発想法演習(2)
第3回に引き続き、一人で実施する発想法に関して、代表的な手法(マインドマップ等)を解説する。具体的なテーマを設定し、一人でできる簡単な発想法を用いた演習を行い、具体的な方法や効果について理解を深める。

第5回 ブレインストーミング
複数人で発想を広げる代表的な手法として、ブレインストーミングの基本原則、ファシリテータの役割など、基礎的な手法について解説する。具体的なテーマに基づく演習を通じ、ブレインストーミングに関する理解を深める。
さらに発想法のフレームワークを適用した演習も実施し、その有効性を理解させる。

第6回 KJ法による情報整理
ブレインストーミングで広げたアイデアを整理する手法として、KJ法について解説する。
具体的なテーマに基づく演習を通じ、KJ法に関する理解を深める。

第7回 発想の幅を広げる(チェックリスト法)
発想の幅を広げる手法として、オズボーンのチェックリスト等、チェックリスト法について解説する。
具体的なテーマに基づく演習を通じ、チェックリスト法の使い方や効果について理解を深める。

第8回 課題分析の手法
課題分析、問題解決型の思考方法として、なぜなぜ法、特性要因図(フィシュボーン図)等の手法について解説する。
具体的なテーマに基づく演習を通じ、課題分析の手法について理解を深める。

第9回 ワールドカフェ
ブレインストーミングの手法として、ワールドカフェについて解説する。具体的なテーマに基づく演習を通じ、ワールドカフェの進め方や効果について理解を深める。

第10回 ブレインライティング
ブラインライティングの特徴・手法について解説する。具体的なテーマに基づく演習を通じ、ブレインライティングの進め方や有効性について理解を深める。

第11回 アイデアを企画にする
実務において、アイデアは企画になっていないと使えない。アイデアと企画の違い、アイデアを企画にする具体的な手法、企画書の構成等について解説する。

第12回 企画演習(グループワーク)
イデアを広げ、企画としてまとめるまでの一連の流れを経験し、これまでに学んだことへの理解を深める。
事前に与えられた具体的なテーマに対して、ブレインストーミング手法等の発想法を適用・応用し、各グループで企画としてまとめる。

第13回 プレゼン資料作成、企画書案の作成 (グループワーク)
前回に引き続き、企画演習を実施する。企画書案をまとめると共に 第15回のプレゼンに向けた準備も行う。

第14回 プレゼンテーション、相互評価、企画書の修正
グループ毎に企画を発表し、相互評価する。発表会で得たコメント等を踏まえ、企画書を修正・完成させる。
企画書の修正等は、課題とし、後日、期限までに提出することとする。

第15回 企画書に関する講評、これまで学んだことのまとめ
前回実施した発表会での相互評価結果を発表するとともに、各企画書に対して、講師から講評を行う。
これまでに講義・演習した様々な発想法について振り返り、質疑等を通じて、理解を深める。 
ゲームデザイン実践演習
授業の到達目標及びテーマ  
(1) 客観的な視点で物事を論理的(ロジカル)に考えたり、他人の意見を聞いて理解し反映させたりすることができる
(2) オリジナリティのある企画書を作成できる
(3) コミュニケーションをとりながら、メンバーに指示を出したり、仕様書を作ったりすることができる
(4) シンプルで、見やすく、分かりやすいスライドを作ることができる
(5) 効果的で伝わりやすいプレゼンテーションができる
本講義のテーマは、オリジナリティのあるゲームの企画書を作成し、効果的で伝わりやすいプレゼンテーションができるようにすることである。 
 
授業の概要  
本授業では、オリジナリティのあるゲームの企画を提案できるように学修する。企画書や仕様書や指示書の作り方、ゲーム企画における伝わりやすい効果的なプレゼンテーションの仕方、ストーリーテリングなどの書き方などを中心に学ぶ。オリジナリティのあるゲームデザインを設計するための考え方を習得し、幅広いゲーム制作の知識を身につけるとともに、企画を考えて仕様に落とし込む力、それをプレゼンテーション資料にして人に伝える力、といった実践力も養成する。 
 
授業計画  
第1回:授業ガイダンス
(1) 本授業の全体の概要、方針、科目評価方法、参考書等に関する説明を行う
(2) 本授業の目的、スケジュール内容を提示して、目標を明確にする


第2回:ヒットゲームの企画書の研究
(1) ヒットしたゲームの企画書を読解、解説する
(2) 手書きで、企画メモを作成しよう(課題とする)


第3回:ヒット商品の企画書の研究
(1) ヒット商品の企画書を読解、解説する
(2) 見やすい、分かりやすい、オリジナリティのある企画書を意識して、手書きで書こう
(3) グループ発表


第4回:ワープロソフトで企画書を作ってみよう
(1) 手書きで書いた企画書を、ワープロソフトで作成しよう
(2) 見やすいフォントの設定を行い、図表やグラフ、イラストや写真を付けてみよう
(3) A4用紙1~3枚程度の企画書を完成させよう(課題とする)


第5回:企画書をプレゼンテーションソフトに落とそう
(1) 企画書をプレゼンテーションソフトに落とし込んでみよう
(2) 要点をまとめて、見やすいスライドを作ってみよう(課題とする)


第6回:企画を発表してみよう
(1) プレゼンテーションソフトを使用して、発表してみよう
(2) 講評(スライドや、プレゼンテーションの評価)


第7回:指示書の作り方
(1) サウンド指示書(どんな場面で使用する曲か、サウンドのイメージを鮮明にしよう)
(2) デザイナーへの指示書(資料を用意したり、より明確な指示を出したりしよう)
(3) メカニクスメカニクスの内容を具体的に書こう)
(4) 指示書を作ってみよう
(5) グループ発表


第8回:仕様書の作り方
(1) ゲームの全体フローチャート
(2) 画面設計書
(3) 操作仕様書
(4) デザイン仕様書
(5) データ仕様書
(6) 処理フローチャート
(7) 仕様書を作ってみよう
(8) プレゼンする相手、ケースを考えよう


第9回:指示書、仕様書を作ってみよう
(1) 指示書を完成させよう(課題とする)
(2) 仕様書を完成させよう(課題とする)


第10回:より面白い企画を考えよう
(1) たくさんのアイデアを出し、そのアイデアを練ろう
(2) 魅力的なゲームのタイトルを付けよう
(3) ニーズ(要求)を把握しよう
(4) コンセプトを明確にしよう
(5) キャッチコピーを付けてみよう
(6) 対象のユーザー(ターゲット)を想定しよう
(7) オリジナリティのあるゲームシステムを考案しよう
(8) ゲームの遊び方(ルール)を考えよう
(9) 魅力的なキャラクターを考えてみよう
(10) 画面の設計を考えてみよう(UIを意識しよう)
(11) 企画メモを書いてみよう(課題とする)


第11回:より良い企画書を作ってみよう
(1) 企画メモを元に、企画書を作ってみよう
(2) プレゼンする相手、ケースを考えよう
(3) グループ発表
(4) ワープロソフト、もしくは、プレゼンテーションソフトで企画書を作ろう(課題とする)


第12回:シンプルで効果的なスライドを作ろう
(1) 結論(一番伝えたいこと)から考える(帰納法
(2) シンプル(余分な情報を削ぎ落とす)
(3) 自然さ(視聴者との距離を無くそう)
(4) 見やすい文字(フォント、レイアウト、バランス)
(5) 見やすいデータ(グラフ、チャート)
(6) 写真、画像(加工方法)
(7) 動画
(8) ビジュアル(効果的に使おう)
(9) スライド作成(課題とする)


第13回:シンプルで効果的なプレゼンテーションを行おう
(1) ゲームの企画のプレゼンテーションを行おう(自然に話そう)
(2) 講評(スライドや、プレゼンテーションの評価、修正)


第14回:ゲームの企画の最終発表
(1) ゲームの企画の最終発表(プレゼンテーション)
(2) 講評(スライドや、プレゼンテーションの評価)


第15回:まとめ
(1) これまでの授業の振り返り(総括)
(2) 今後の発展課題について 
インターフェースデザイン 
授業の到達目標及びテーマ  
・インターフェースを通して人々と環境の間を繋ぎ、新しい関係を作り出せる。
・デザイン性を高めることで、相互の関係性を促進させ、楽しさや魅力を付加できる。
・ユーザの視点からコンテンツの使いやすさや分かりやすさの問題を分析することができる。
・問題のあるデザインに対して、その改善案を提示できる。 
 
授業の概要  
アプリケーションやウェブサイトに使われるフラットデザインやナビゲーションデザイン、フォトインパクトデザインなどの手法を紐解き、ユーザーエクスペリエンス(UX)を考慮したインターフェースの役割を学ぶ。デザインの違いによって人々と環境の関係性が変化し、そこから楽しさも生まれることを理解する。その理解度を試すため、アプリケーションUIデザイン、アイコンデザインに挑戦する。また、ゲームUIについても学習し、ゲーム性に対するインターフェースの影響も分析する。ゲームデバイスごと、ゲームの種類ごとのUIについても調べ、オリジナルのゲームUIデザインを行う。 
 
授業計画  
第1回 オリエンテーション
インタフェースとは何か、どこにあるのかを学ぶ。 人間の感覚と知覚、生理特性について解説する。人間の認知と理解、人間特性を考慮したインタフェースの設計について講義する。
[キーワード] ウェーバー・フェヒナーの法則、人間の視覚、聴覚、触覚の特性、メンタルモデル、ノーマンの7段階モデル、アフォーダンス


第2回 グリッドデザイン
コンテンツの要素をグリッド(格子)のように並べることで、美しく整えられた印象を与えるデザイン手法を学ぶ。更新性やレスポンシブの高さについても理解する。


第3回 フラットデザイン
スキューモーフィズムからフラットデザインへの移行に見られるデザイン性の変化、歴史的背景を学ぶ。また、ユーザビリティ上の課題も分析し、フラットデザインの未来も検討する。


第4回 ミニマルデザイン
デザインから余計な要素を取り除くことによってシンプルで分かりやすく、洗練されたデザインに仕上げるミニマルデザインを学ぶ。また、タッチデバイスによるボタンという概念の衰退も理解する。


第5回 ナビゲーションデザイン
人間の心理、行動、制約などに合わせて、次の操作を導くインターフェースデザインを学ぶ。ユーザアカウントの行動履歴を応用したインターフェースのパーソナライズについても理解する。


第6回 カラーデザイン
コンテンツの色彩計画(カラースキーム)を整え、色のもつ心理的・生理的・物理的な性質を利用したデザイン手法を学ぶ。色彩の変化は、コンテンツ内の場面転換、進捗状況の説明にも使えることを理解する。


第7回 フォトインパクトデザイン
画像を大胆に用いてインターフェースを構成するデザイン手法について学修する。写真やイラスト、動画を効果的に表現できるため、SNSなどの遊び要素、商品・製品紹介などの応用例も分析する。


第8回 アプリケーションUIデザイン課題
ここまでの学修内容をもとにスマートフォンアプリを想定し、そのUIデザイン。プレゼンテーション&講評会。


第9回 モーションデザイン
動きを伴ったインターフェースデザインを学ぶ。モーションは華やかな演出である以上に、動きによる連想を導き出す役割があり、機械と人間の間にある新しい認知の仕組みであることを学修する。
[キーワード] ノンバーバルコミュニケーション、視線・表情インタフェース、CGキャラクターの身振り


第10回 アイコンデザイン
アイコンとは、コンテンツのコアとなる要素を体現し、ブランディングの一部を担う。ユニークでコンテンツ意図が認識しやすいデザインを分析し要点をまとめる。


第11回 アイコンデザイン課題
ここまでの学修内容をもとにスマートフォンアプリを想定し、そのアイコンデザイン。プレゼンテーション&講評会。


第12回 ゲームUIデザイン:スマホアプリ
スマートフォンタブレットなどの画面に触れながらゲームを進めるタイプのUIを考える。小さい画面の中、煩雑になりがちなインターフェースをどのようにまとめるかを学ぶ。
[キーワード] タブレット、マルチユーザインタフェース


第13回 ゲームUIデザイン:ハイエンド
コンシューマゲームやPCゲームなどの高機能が求められる場合のUIを考える。チュートリアルやゲームの進行状況に合わせて機能が解放されてゆく仕組みなど、遊びの中のUI思考を学ぶ。


第14回 ゲームUIデザイン:VR
球体状に広がるVR空間内のUIを考える。自由なカメラに対して迷うことなく分かりやすいインターフェース、VR空間内の要素自体に情報を表示させて誘導するなど、特殊な状況下のインターフェースデザインを学ぶ。
[キーワード] 人工現実感、ゼルツァーのAIPキューブ、バーチャル世界記述部、臨場感評価、実世界志向インタフェース


第15回 ゲームUIデザイン課題
ここまでの学修内容をもとにオリジナルゲームを想定し、そのUIデザイン。プレゼンテーション&講評会。
[キーワード] CHI、グループウェア評価、臨場感の評価 
コンテンツデザイン概論

テキスト:『コンピューター&テクノロジー解体新書 ビジュアル版』 

授業の到達目標及びテーマ  
・数理的知識やプログラミング能力などの論理的思考能力を基盤に、高度な芸術的表現能力をもった高次のコンテンツクリエータは、サイバーフィジカルな時代において、重要な役割を果たすことを理解している。
・コンテンツとは何かを考えた上で、メディアテクノロジーの進展にともなうコンテンツ領域の拡大、新たなコンテンツ文化の醸成、デジタルコンテンツにおける歴史的背景を知っている。
・自分の興味の対象を明確にし、将来において自らが進んでゆく道を考察することができる。 
 
授業の概要  
デジタルエンタテインメント学科では、映像、ゲーム・CG・アニメといったデジタルコンテンツの企画・設計・制作を学ぶ。これらデジタルエンタテインメントの基盤となる考え方や人間と人間、人間とマシンとのコミュニケーションについてメディアテクノロジーの変遷を踏まえて解説する。またゲームコンテンツの対象の広がりを理解し、将来的に高次のクリエータとして活躍するためには、何を学ぶ必要があるのかを自覚するためのガイダンスである。 
 
授業計画  
(下記のうち、外部講師講演会と展示会見学についてはスケジュールによって日程が移動する可能性あり)

第1回 : イントロダクション
まずオリエンテーションの一環として、学科の教育体系の全体概要、2コースの内容に関する説明を行ったのちに、各講義科目の簡略な内容及び全体との関連性について説明を行う。次に、この講義全体の目的、実施方法の説明を行う。

第2、3回 : デジタルエンタテインメントコンテンツとは何か
我々は生活の中で様々なコンテンツに触れている。多種多様なコンテンツの中において、エンタテインメントコンテンツの内容や社会的役割について説明を行う。また、制作するために必要なスキルや考え方を学修し理解する。

第4、5回 : エンタテインメントコンテンツの歴史(映像)
映像コンテンツの原理、実現するためのハードウェアについて学び、それぞれの歴史とコンテンツを構成する表現法やデザインの進化について学修する。また、現在の映像におけるエンタテインメントコンテンツの特徴を理解する。

第6、7回 : エンタテインメントコンテンツの歴史(ゲーム)
ゲームのハードウェア(業務用、家庭用)の歴史、コンテンツを構成する表現法やデザインの進化について学修し、現在のゲームコンテンツの特徴を理解する。

第8回 : コミュニケーション空間の拡大
近年のIT技術の進展は我々の情報の伝達時間、伝搬の対象(空間)の拡大をもたらし、コンテンツデザインに大きな影響を与えている。今までになかったデジタルコンテンツに注目し、新たに創造されるコンテンツデザインについて学修する。

第9、10回 : コンテンツビジネスについて
映像やゲームコンテンツのビジネスについて学修する。制作・開発や頒布するためのフォーマット、流通や配信という面についても学修する。またグローバル市場の特徴についても学び、コンテンツビジネスについて理解する。

第11、12回 : 展示会視察
展示会は、映像技術やCG、インタラクティブコンテンツが見学できるようなNHK技研公開などを見学・視察する。
※視察展示会のスケジュールによって、回 : が前後する場合がある。

第13回 : 先端技術とエンタテインメントコンテンツについて
先端技術のエンタテインメント使用例(ロボット、ドローン等)に触れ現状を学修する。また、先端技術の進化と関連するエンタテインメントコンテンツの将来について考える。

第14回 : 外部講師による講演会
デジタルコンテンツに関連した特別講演会を行う。
※外部講師の都合によって、回が前後する場合がある。

第15回 : ディスカッションとまとめ
学生とエンタテインメントコンテンツの技術、社会的役割などについてディスカッションする。本講義のまとめ及び質疑応答を行う。 
プロジェクトマネジメント

テキスト:『担当になったら知っておきたい「プロジェクトマネジメント」実践講座』

授業の到達目標及びテーマ  
近年、テクノロジーの発達やユーザーの多様なニーズに伴い既存の企業や組織の枠組を超えた連携型の商品開発が求められている。この科目では、多様な連携を可能とするプロジェクトの推進手法であるプロジェクトマネジメントをテーマに取り上げ、その理解とプロジェクトマネジメント技法の習得を目的とする。そのために以下を達成目標として挙げる。
・プロジェクトマネジメントにおける『目標設定』『計画』『実行』の3つの要素の定義と関係性を理解し、説明できる。
・各回のテーマとなるツールや技法を理解し、提示される課題を作成できる。
・円滑にプロジェクトを推進するために必要な人間力について実感できる。 
 
授業の概要  
プロジェクト推進に必要な知識と技法を体系的に学修する。プロジェクトの定義、プロジェクトライフサイクル、リーダーとメンバーの役割、プロジェクト成功のための留意点を理解した上で、プロジェクト計画の策定、プロジェクトの遂行に必要な資源の調達、プロジェクトの予算・納期・品質などの管理方法を学ぶ。また、WBSに基づく作業分割、作業時間の見積り、進捗管理の方法についても学ぶ。プロジェクト開発型の科目において、これらの知識を実践しプロセス改善が行えるようにする。 
 
授業計画  
第1回:【基本】オリエンテーション
担当教員の自己紹介をはじめ、科目概要、年間スケジュール、講義形態など今後の授業を円滑に進めていくためのオリエンテーションを行う。
また、プロジェクトやプロジェクトマネジメントの意味を理解し、プロジェクトとルーティンワークの違いについて学ぶ。さらに、プロジェクトマネージャが身につけるべき重要な要素を知ることで今後の講義の目的を明確にする。
※以下第2回~第14回までは、各回の題材を共通テーマによるグループワークも行うことで、さらに理解を深める。


第2回:【目標設定】目的と目標・プロジェクト憲章
プロジェクトマネジメントは、目的・目標達成させる活動である。ここでは、目的と目標の違いを理解し、プロジェクト立ち上げ時において重要な役割を担うプロジェクト憲章を作成する。


第3回:【目標設定】ステークホルダー・マネジメント(ステークホルダー登録簿)
プロジェクトの成功には、その成否に影響を及ぼすステークホルダーの適切なマネジメントが欠かせない。ここでは、ステークホルダーと各々の関心を特定することの重要性を理解し、その分析のためのツールとなるステークホルダー登録簿を作成する。


第4回:【計画】要求事項とスコープ定義(スコープ記述書)
プロジェクトの計画にあたり、最初に決めるべきはプロジェクトの範囲(スコープ)である。また、その決定には、ステークホルダーの要求事項を考慮する必要がある。ここでは、要求事項の収集や明確化に関する手順を学び、実際にスコープ記述書を作成することで理解を深める。


第5回:【計画】WBS(作業分解:Work Breakdown Structure)
定義したスコープは、目的や目標達成に必要な「要素」に分解することで、詳細な計画となり、実行に移せるようになる。その細分化のための技術であるWBS(作業分解図)の作成手順を学び、実際に作成する。また、それらの演習を通じて、その過程におけるコミュニケーション(ファシリテーション)の手順と重要性についても理解する。


第6回:【計画】スケジュール(責任分担表)
プロジェクトを推進するためには、誰が何の役割を担っているかを明確にする必要がある。そのためのツールである責任分担表の作成を実践する。併せて、スケジュール作成には欠かせない工程であるアクティビティの順序付けとクリティカルパスについても学習する。


第7回:【計画】スケジュール(ガントチャート
縦軸に工程と担当、横軸に作業の開始から完了までの期間を帯状に記す図をガントチャートと言う。このガントチャートの作成を通じて、スケジュールの可視化を経験する。また、時間余裕(バッファ)の考え方についても理解する。


第8回:【計画】コスト管理(コスト管理表)
プロジェクトにはコスト(費用)がかかる。ここでは、見積もり手法を学び、算出したコストをコスト管理表にまとめる。併せて、コストオーバー時の対応についても学ぶ。


第9回:【計画】リスク管理(リスク分析)
まず、プロジェクトマネジメントにおけるリスク(不確実性)の概念を学び、適切な意思決定につなげる。そのうえで、定性リスク分析・定量リスク分析の手法を学び、実践を通じて習得する。


第10回:【計画】リスク管理リスク管理表)
第9回の分析をもとに、リスク対応策を考え、リスク管理表にまとめあげる。この作業を行うことでリスク管理全般のプロセスについて理解を深める。


第11回:【実行】チームビルディング(キックオフミーティング)
プロジェクトとは、チームで推進することが一般的である。ここでは、そのチームの概念を理解し、キックオフミーティングのシミュレーションを通じて、チームビルディングに必要となる人間力を体感から探求する。また、チームの形成段階についても学習する。


第12回:【実行】進捗管理(コントロール・進捗確認・変更管理)
プロジェクトの実行段階において、プロジェクトマネージャが実施する重要な活動に、プロジェクトの「コントロール」がある。そのために、計画通りに進んでいるかの確認「進捗確認」と、それを経て生じる変更要求への対応「変更管理」の手法を理解する。


第13回:【実行】進捗報告・終結(プロジェクト終結報告書)
プロジェクトでは、様々なステークホルダーに情報を伝達する必要がある。また、有期性を持つプロジェクトの活動では、終結のプロセスも重要となる。そこで、その技法である「進捗報告」と「プロジェクト終結報告書」について学ぶ。


第14回:【思考】プロジェクトマネジメント思考(リーダーシップ)
プロジェクトは、人間による活動である。ここでは、プロジェクトの成功のために最低限知っておくべき「考え方」「観点」「思考」特にリーダーシップについて理解する。また、異文化コミュニケーションやメンタルヘルスの重要性についても学習する。


第15回:【確認演習】成果発表
これまでのグループワークの成果をグループごとに発表する。このことによってプロジェクトマネジメントに対する理解を深めるとともに、自らの成果をステークホルダーへ伝える重要性、難しさを実感させる。併せて、他者の発表を聞くことにより、自らの知見を広げ、多様性を理解する。


本試験 
ゲームハード概論 
授業の到達目標及びテーマ  
プレイヤーにとってはゲーム体験を手軽に味わう手段として、ゲーム制作者やハードメーカーにとってはゲームの提供と適正な利益を占有する手段として、ゲームハードというものが存在する。ゲームハードの進歩はゲーム体験や開発手法のみならずビジネス構造も変化させ、近年はハードウェアの枠を超えプラットフォームと呼ぶべきものとなっているが、プラットフォームまで含めその概要を説明できるレベルに理解する。
・コンピュータ技術とゲームハードやソフトの繋がりについて列挙できる。
・主要なゲームハードの機能・性能の進歩について、正しい時系列で説明できる。
・主要なゲームハードの機能・性能の進歩について、ゲームのアイディアやプレイ体験の変遷に紐づけて推論し、説明できる。
・主要なゲームハードにおけるグラフィックやサウンドの特徴(表現力やデータ量、製作工程)について、データ構造を元に説明できる。
・主要なゲームハードの収益構造について理解し、その経済規模を論理的に記述できる。 
 
授業の概要  
年々進化・変化するハードや市場においてゲーム開発を収益事業として成り立たせ続けるために、プラットフォームの本質を理解し、変化に対応する力を身につける。そのために実際のゲームハードの機能面の進化を時系列に学び、またサウンド・グラフィックなど個別の機能についてその仕組みも含めて理解する。ここから「ハードの理解」を「プラットフォームの理解」に広げていき、これらハードやプラットフォームの進化がゲームの楽しみ方や収益構造にも変化をもたらしていることを学ぶ。 
 
授業計画  
第1回 ゲームハードとは
本講義の概略を説明し、科目方針、年間スケジュールについて説明する。目指すところとその必要性を理解させる。


第2回 コンピュータ基礎
本科目を進めて行く上で必要なコンピュータの基礎を学ぶ。


第3回 ゲームハードの歴史1
ゲームハードの進化について実際の製品で学ぶ(前半)。


第4回 ゲームハードの歴史2
ゲームハードの進化について実際の製品で学ぶ(後半)+ アーケードゲームの歴史


第5回 演習(成功ハード・失敗ハードの要因分析)
ここまで学んだことに加え自分なりの調査を加え、各世代ハードの成功要因・失敗要因を考察してみる。


第6回 ゲームハードと映像表現
ゲームハードの持つ機能によって実現される映像表現の仕組みや手法について学ぶ。


第7回 デジタル音源基礎
ゲーム開発を行う上で理解しておくべき音の特性や音源知識について学ぶ。


第8回 入出力装置と映像装置・映像信号
ゲームに関係する入出力装置の構造や特性を学ぶ。


第9回 3D/VR/AR
特殊な映像出力装置の構造や方式、コンテンツ開発における留意点を学ぶ。


第10回 スマートフォンタブレット
ゲーム機として見たスマートフォンの特徴を理解する。


第11回 ユーザーアカウント
ユーザーアカウントによって広がるゲーム体験やプラットフォームビジネスの実態を学ぶ。


第12回 バーチャルプラットフォーム
現在のゲーム事業がハード中心ではなくユーザーアカウントに紐づけられたバーチャルなプラットフォームに移っている現状を学ぶ。


第13回 プラットフォーム規約
実際のサードパーティ向け規約を例に、プラットフォーマーが目指す物を知っておく。


第14回 ゲーム市場の変遷
これまでの授業を通し、ハードウェアの進化、プラットフォームの変遷、現在のゲーム産業の全体像をおさらいし、総合的理解を深める。


第15回 演習(プラットフォームを分析)
ここまで学んだことから、現行ハードやプラットフォームにおいて、どのような特徴・差異があるか分析してみる。 
コンピュータシステム

テキスト: 『令和3年【春期】【秋期】応用情報技術者 合格教本』 

授業の到達目標及びテーマ  
コンピュータシステムの構成と動作原理と通信ネットワークの基礎を理解することで、AI、IoT、ロボットの開発に共通して必要となるICTシステムの設計やアプリケーションソフトウェア開発ができるようになる基本的知識を身につける。今後も進化していくコンピュータシステムの根本原理を理解することで、応用に対する能力を高めることを狙う。
到達目標:
1. コンピュータシステムのハードウェアについて、5つの基本機能を理解して説明できる。
2. 中央処理装置(CPU)の命令実行動作とコンピュータにおける役割を説明できる。
3. コンピュータの基本ソフトウェア(OS)の機能とアプリケーションとの関係を説明できる。
4. オペレーティングシステムが備えるべき役割と動作を理解して説明できる。
5. 通信ネットワークについて、階層化されたプロトコル構成や、IP/TCP/HTTPなどの各階層のプロトコルの特徴を理解して説明できる。 
 
授業の概要  
情報処理の中心となるコンピュータシステムについて、コンピュータシステムの構成要素であるハードウェアとソフトウェア、コンピュータシステム同士を接続する通信ネットワークについて、それぞれの構成と動作原理を理解する。ハードウェアについては入力、出力、演算、制御、記憶の各装置の機能を、次にシステム上で動作するオペレーティングソフトウェア(OS)とアプリケーションソフトウェアについて学修する。さらに、OSについてプロセス管理をはじめとする重要な機能と、コンピュータ間をつなぐ通信ネットワーク(LAN、WAN)についてTCP/IPプロトコルを中心とした通信手順と、デジタル情報を確実に伝送するための誤り検出訂正、暗号などの符号理論を学修することで、インターネット上で展開されているアプリケーションを実現するのに必要なICT技術の重要な要素を理解する。 
 
授業計画  
第1回:コンピュータシステムの発展の歴史
パーソナルコンピュータやモバイル端末に至るまでの、コンピュータシステムとコンピュータネットワークの基本と歴史を学び、本科目で学習する内容の全体像を理解する。

第2回:コンピュータシステムの構成要素
コンピュータシステムの内部を構成する5つの基本装置(入力装置・記憶装置・演算装置・制御装置・出力装置)の基本機能、CPUとその周辺装置の役割について学ぶ。また、現在のコンピュータシステムの主流であるプログラム格納方式や記憶階層の概念について理解する。

第3回:コンピュータの基本動作と基本アーキテクチャ
プログラム格納方式に基づき、コンピュータの基本装置がどのように連携し合い基本動作を行うかを理解する。また、CPUの基本アーキテクチャである命令セットとその特長を理解する。

第4回:CPUにおける命令実行の高速化
命令の実行を高速化する並列処理・パイプライン・スーパースカラなどの技術の基本原理を理解する。また、CISCRISCの特徴について学ぶ。

第5回:コンピュータシステムのソフトウェア
ハードウェアと対となるソフトソフトウェアの種類と目的を理解する。応用ソフトウェア、ミドルウェア、基本ソフトウェア(オペレーティングシステム:OS)、開発用ソフトウェアについて学ぶ。

第6回:オペレーティングシステム(1) プロセス管理
アプリケーションの実行に不可欠なプロセス管理では、通常のOS(LinuxWindows等)とリアルタイムOSの相違、プロセス実行のためのタスクスケジューリングについて理解する。

第7回:オペレーティングシステム(2) メモリ管理
複数のソフトウェアが並行して動作するマルチタスクシステムで必要となるメモリ管理の基本的な考え方を学ぶ。代表的な仮想メモリ管理方式としてページング方式の動作を理解する。

第8回:オペレーティングシステム(3) ファイルシステム
コンピュータシステムにおけるデータの蓄積と処理の手段である、ファイル管理について学ぶ。ファイルという考え方やディレクトリによるファイルの管理の方法、データ保護のためのアクセス権限、ディスク管理の方法について学ぶ。

第9回:コンピュータシステム間の通信ネットワーク
電話ネットワークで適用されてきた回線交換と、インターネットで利用されているパケット交換について、それぞれの仕組み・特長を理解する。さらに、国際標準規格(OSI)で規定されている通信プロトコルの階層的モデルを学ぶ。また、レイヤ1/2プロトコルとしてのイーサネットの基本的事項を理解する。

第10回:通信ネットワーク(1)IPプロトコルとルーティング
IPプロトコルの役割・仕組み、クラス分類に基づくIPアドレスの構成について学ぶ。さらに、サブネットワーク分割やルーティングプロトコルの基本について理解する。

第11回:通信ネットワーク(2)トランスポートプロトコルTCP/UDP
トランスポートプロトコルTCP/UDP)の役割、TCP/UDPのヘッダ構成を学ぶ。さらに、コネクション確立からデータ転送・コネクション終了に至る一連のシーケンスよりTCP/UDPプロトコルが提供する機能について理解する。

第12回:通信ネットワーク(3)アプリケーションプロトコル
ドメイン名でインターネット接続を行うために必要なDNSや、WWW・電子メールを含む、インターネットで利用される主なアプリケーションについて、それぞれに特有な処理の仕組みについて学ぶ。

第13回:コンピュータシステムの高信頼化
コンピュータシステムの動作と、データの蓄積伝送を高信頼化する冗長化について理解する。システムの多重化と、データへの誤り検出訂正に関する符号化方式について学ぶ。

第14回:コンピュータシステムの情報セキュリティと暗号
コンピュータシステムと通信ネットワークの情報セキュリティと暗号・認証技術の基本原理を学び、どのように活用されているかを理解する。共通鍵暗号方式・公開鍵暗号方式について、それぞれの特長を理解する。

第15回:コンピューティングパラダイムとその変遷
インターネットを活用したICTシステムの潮流であるクラウドコンピューティングSaaS・PaaS・IaaS)やエッジコンピューティングについて、その特徴や要素技術について学ぶ。さらに5G等のネットワーク技術に関する今後の進化の方向性について理解する。

本試験 
コンピュータグラフィックスⅠ

テキスト: 『ディジタル映像表現 -CGによるアニメーション制作- [改訂新版] 』 

授業の到達目標及びテーマ  
1.コンピュータグラフィックスの制作手法の流れを理解し、説明できる。
2.モデリングに関する基礎知識として、座標系や基本的手法を理解し、説明できる。
3.様々なマッピングの手法を理解し、説明できる。
4.アニメーションの基礎とリギングの考え方を理解し、説明できる。
5.シェーディングとライティングについて理解し、説明できる。
6.レンダリングの基礎と手法を理解し、説明できる。
7.コンポジットの目的と考え方、手法を理解し、説明できる。
8.リアルタイムCGの基礎とその特徴について理解し、説明できる。 
 
授業の概要  
CGアニメーションやゲームのデジタルコンテンツを制作するための映像に必要なデータ生成と表現について、各フェーズ(モデリング、アニメーション、レンダリング等)における様々な手法を修得する。特定のDCCに依存することがない一般的な知識を理解し、目的とするコンテンツの表現を最適に制作できる手法を選択できるようになることを目指す。また、それぞれの手法については、制作における全体のプロセス間でのデータの関連性・連続性を知ることで、理解を深める。 
 
授業計画  
第1回 オリエンテーション
本科目の到達目標と習得できる知識について理解する。また、CG映像制作のワークフローについても学ぶ。

第2回 モデリング1
座標系、ポリゴンやNURBSといったモデリング要素、スペキュラや屈折などの各種マテリアル要素について学修する。

第3回 モデリング2
多様な質感を表現するためのマッピング手法、マッピングの適用手法、プリミティブとCSGによるモデリングを学修する。

第4回 モデリング3
スカルプトツール、3次元デジタイザ、プロシージャルモデリングなど、各種モデリング手法を学ぶ。また、モデリングの実際として、現在の制作現場の中で主流となっているモデリング手法を実例の分析を通して学修する。

第5回 リギング
リギングの概念、デフォーメーションやIK・FKなどのリギング手法を学ぶ。また、リギングの実際として、コンテンツごとに異なるリギング手法や撮影の際のカメラリグについても学修する。

第6回 アニメーション1
アニメーションの概念、キーフレームアニメーション、プロシージャルアニメーション、シミュレーションによるアニメーションといった手法について学ぶ。

第7回 アニメーション2
サンプリングによるアニメーション、キャラクタアニメーションの基本概念とその手法について学修する。

第8回 アニメーション3
フェイシャルアニメーションについて学ぶ。また、アニメーションの実際として、コンテンツごとのアニメーション制作の特徴を捉える。

第9回 中間試験
ここまでの学修内容をもとに筆記試験。その結果をふり返り、理解を深める。

第10回 シーン構築1:マテリアル表現
シーン構築の概念、サブサーフェススキャッタリングやアンビエントオクルージョンといった高度なマテリアル表現、プログラマブルシェーダについて学修する。

第11回 シーン構築2:ライティング
ライティングの特性、影、減衰特性、ライトの種類などを学修する。同時に現実の光の様子も分析し、光の表現の要素を理解する。

第12回 シーン構築3:レンダリング
レンダリングアルゴリズム、CGカメラの特性、被写界深度、モーションブラーについて学修する。また、PBR(フィジカルベースドレンダラー)などトレンドとなっているレンダリング手法についても理解する。

第13回 シーン構築4:合成
合成の基本コンセプト、合成処理とエフェクト、実写合成、アニメとの合成について学修する。

第14回 リアルタイムCG
リアルタイムCGの概念、演算精度、モーション間の補間、当たり判定などについて学ぶ。また、リアルタイムCGの実際として、ゲームなどに使用されているリアルタイムCGの表現手法についても理解する。

第15回 プロダクションワーク
企画、プリプロダクション、プロダクション、ポストプロダクション、公開・販売からなるプロダクションワークの各種工程について学ぶ。また、プロダクションマネージメントに求められる働きについて理解する。

本試験 
コンピュータグラフィックスⅡ

テキスト:『コンピュータグラフィックス[改訂新版]』 

業の到達目標及びテーマ  
1.CG制作の各プロセスでの各手法の背景にある技術を理解し、説明できる。
2.全体プロセスにおける座標系とその変換について理解し、説明できる。
3.各モデリング手法でも数学モデルについて、資料を見ながら説明できる。
4.レンダリングのプロセスを理解し、それぞれの意味を説明できる。
5.シェーディングの基本知識を理解し、それぞれの手法について説明できる。
6.アニメーションの基本と階層構造について理解し、数学モデルを資料を見ながら説明できる。 
 
授業の概要  
「コンピュータグラフィックスⅠ」で学んだ、デジタルコンテンツ制作の各プロセスにおける手法の背景技術を理解する。描画ライブラリやDCCツールに依存しない基本的な技術知識を学ぶことにより、企画や制作やプログラミングで適切な手法を実施できるようになる。座標変換、モデリング手法(平面、曲面、スキニング等)、レンダリングプロセス、アニメーション(階層構造)や物理シミュレーション等のアルゴリズムについて理解する。また、効率的で最適なプロセスの提案と表現を実現するための手法を創造できるようになる。 
 
授業計画  
第1回 オリエンテーション量子化について
本科目での到達点が「コンピュータグラフィックスⅠ」で学んだことの発展であること、それぞれの手法の背景にある理論を理解することを説明する。
デジタルの基本である量子化について理解する。

第2回 座標変換1
2次元および3次元の座標変換について学び、3次元空間でのモデルの移動、拡大・縮小、回転などの背景技術を理解する。

第3回 座標変換2
3次元モデルをディスプレイモニタの画面や紙などの2次元平面上に表示するための投影について学修する。また、それに付随する手法としてクリッピング、描画パイプラインなどについても理解する。

第4回 モデリング1
形状モデルの要素を知り、CSG表現のしくみ、境界表現のデータ構造、オイラー操作について理解する。

第5回 モデリング2
曲線、曲面の表現形式を知り、パラメトリック曲線、パラメトリック曲面の種類と理論を学修する。

第6回 モデリング3
ポリゴン曲面の表現として、細分割曲面、スムースシェーディング、詳細度制御、平準化処理、パラメータ化、セグメンテーションについて学修する。

第7回 レンダリング1
レンダリングを構成する処理を理解し、スキャンライン法、Zバッファ法、レイトレーシング法といった各種レンダリングアルゴリズムを学修する。

第8回 レンダリング2
シェーディングモデルの基礎と概要を理解し、環境光や拡散反射、鏡面反射、透過、屈折などのマテリアル要素の計算式を学修する。加えて影付けのための考え方も学び、写実的な描画表現の要素を理解する。

第9回 レンダリング3
マッピングのための理論、手法、応用を学修する。フラクタルによるテクスチャ生成、アンチエイリアシングバンプマッピングの理論、環境マッピング、ソリッドテクスチャ、イメージベーストライティングなどが代表的な項目となる。

第10回 中間試験
ここまでの学修内容をもとに筆記試験。その結果をふり返り、理解を深める。

第11回 レンダリング4
より写実的な表現を求める上で、大域照明計算を行うレンダリング技法が欠かせない。カラーブリーディング、コースティクスなどの高度な照明効果を得るために、ラジオシティ法、フォトンマッピング法などを学修する。

第12回 アニメーション1
基礎的なアニメーション手法を確認した後、成長のアニメーション、自然現象のアニメーション、AIを利用したアニメーションといった手続き型アニメーションの学修を進める。

第13回 アニメーション2
キャラクタアニメーション手法を確認した後、弾性、衝突、粘性といった要素が計算に含まれる物理ベースアニメーションについて学修する。

第14回 カラーマネジメント
カラープロファイルの要素を知り、正確なリニアワークフローを行うための理論と手法を学修する。

第15回 CGシステム
映画、ゲーム、バーチャルリアリティ、拡張現実といったCGシステムの産業応用の実例を知り、それらを成立させているシステム構成、プログラム、グラフィック用API、アプリケーション、フォーマット、入出力装置などの技術を理解する。


本試験